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三菱のデリカミニとスズキの新型スペーシアは、どちらも軽スーパーハイトワゴンです。デリカミニは、スペーシアギアと頻繁に比較されている車種でもあります。今回は、スペーシアギアではなく新型スペーシアと比較していきたいと思います。

外観とボディサイズ

デリカミニの主な特徴は、半円形のヘッドランプと、牙のようにも見えることのある三菱車共通のデザインテーマである「ダイナミックシールド」です。ロントマスクは軽自動車の中ではかなり厳つく、存在感は抜群といえます。また、オーバーランダー（自動車でのキャンプを楽しむ人）をターゲットとしている点も特徴の1つです。未舗装路面を走破し、家族とキャンプ場へ行くイメージを想起させる点で、両車に共通の魅力があります。これは、三菱車ファンに訴求するための「デリカ」コンセプトでもあります。

新型スペーシアは、、走るコンテナハウスというような造形が特徴的です。旧型はスーツケースモチーフだったのが、コンテナになっているように、力強い印象を受けます。ボディサイドの新たなプレスラインが追加されていたりすることでコンテナ感が増しています。また、立体感のあるボディーパネルは、コンテナをモチーフにしており、まさにタイヤ付きのアウトドアボックスです。スライドドアやリアゲートを開けてキャンプ道具をずらりと並べた様子を想像するだけで、わくわくしますね！

デリカミニ		新型スペーシア
3,395㎜	全長	3,395㎜
1,800-1,830㎜	全高	1,735-1,785㎜
1,475㎜	全幅	1,475㎜
4.5-4.9m	最小回転半径	4.2-4.4m

室内空間

デリカミニのインテリアデザインは、「日常に冒険を」というテーマとなっていて、機能的で快適な内装と広い室内空間を実現しています。ブラックを基調とした内装カラーにアイボリーのアクセントを加えることで、インテリアの横方向のワイド感が強調され、広く感じるだけでなく、優しい印象も与えています。また、後席シートは左右それぞれ前後に320mmスライドする機能が備わっています。座席を一番前にスライドさせることで、荷室に多くの荷物を積むことができます。また、前席から後席の子供の世話をする際にも便利です。一般的には、上級グレードには電動スライドドアが標準装備されますが、デリカミニの場合は、足先をスライドドアの下部にかざすだけで電動開閉できるハンズフリー機能が備わっています。

新型スペーシアのインテリアデザインは、「スーツケース」をテーマにしたデザインです。ジッパーを連想させるフロントグリルや取っ手のようなボディサイドといった外観だけでなく、インテリアのアッパーボックスにも反映されています。これにより、上品さと実用性が際立ち、タントやN-BOXとの違いを明確にしています。さらに、運転席前方のAピラーを立てることで、スーパーハイトワゴン特有の見た目の大きさを強調することに成功しています。また、同乗者向けの快適装備も充実しています。その代表格が、マルチユースフラップです。後席の座面の前端部分が飛行機の翼のフラップのように可動して、レッグサポートや荷物の落下防止ストッパーになります。

あいうえお

デリカミニ		新型スペーシア
2,200㎜	室内長	2,170㎜
1,390-1,400㎜	室内高	1,345㎜
1,335㎜	室内幅	1,415㎜

トランクルーム

デリカミニは、大開口ラゲージで、荷物を積み込みやすくなっています。車高が高くなっていることもあり、高さがあるものも積み込みやすいです。左右に分割して倒すことができるので荷物に合わせたアレンジが可能です。後席は最大320㎜スライドでき、またシートを倒すとほぼフラットになるため、大きめの荷物も積み込めます。荷室開口地上高が低く設定されているので、重い荷物の積み込みもしやすいです。

新型スペーシアの荷室は、荷物が載せやすい低さになっています。後席は5:5分割可倒式で、倒して荷物に合わせたアレンジができます。倒すとほぼフラットになるので大きい荷物も積み込むことができます。NBOX同様、とても広い荷室というわけではありませんが、軽自動車としてはとても広く使いやすい室内空間になっています。

デリカミニ		新型スペーシア
奥行き355㎜～× 床面幅890～1,115㎜× 高さ1,080㎜	荷室サイズ	奥行き310㎜× 床面幅890㎜× 最低天井高1,125㎜
590-620㎜	荷室開口地上高	535mm
1,050㎜	開口幅	1,130mm

安全機能

デリカミニは、全車に8種類の運転支援機能が含まれた「三菱e-Assist」を標準装備しています。含まれているのは、衝突被害軽減ブレーキシステム（歩行者検知付き）・踏み間違い衝突防止アシスト・オートマチックハイビーム・標識認識システム・先行車発進通知・車線逸脱警報システム&車線逸脱防止支援機能・ふらつき警報・前方衝突予測警報になります。また、デリカミニには、デュアルエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグに加えて、衝突時にドライバーの脚部を保護するニーエアバッグも装備されているため、その点はデリカミニならではの特徴ではないでしょうか。

新型スペーシアは、全車に5種類の予防安全技術が含まれた「スズキセーフティサポート」を標準装備しています。含まれているのは、デュアルセンサーブレーキサポートII・低速時ブレーキサポート（前進・後退）・車線逸脱警報機能/車線逸脱抑制機能・標識認識機能・発進お知らせ機能（先行車・信号切り替わり）になります。新型スペーシアは「サポカーSワイド」の認定条件を満たしています。

走行性能の燃費性能

デリカミニには、走行性能を向上させるための2つの機能があります。1つ目は、滑りやすい路面で片側の駆動輪がスリップした際、スリップしていない側の駆動輪に駆動力を集中させて走破性を向上させるグリップコントロールです。2つ目は、急な下り坂でブレーキペダルを踏まずに一定の低速を維持できるのがヒルディセントコントロールです。また、ドライブトレインという全車マイルドハイブリッド（MHEV）システムを採用しており、小型モーターが低回転域から実用的なトルクを追加することで、燃費向上にも寄与しています。

2023年11月に登場した現行型のスペーシアは、先代から継続してマイルドハイブリッドシステムを採用し、全車に標準装備しています。マイルドハイブリッドシステムは、減速時に発生するエネルギーを利用して発電し、その電力を専用バッテリーに充電します。加速時にはその電力を使用してモーターを動かし、エンジンをアシストすることで低燃費を実現する技術です。さらに、エンジンの燃焼効率を向上させ、新開発の軽量かつ高効率なCVTを組み合わせることで、クラストップレベルの低燃費（2023年11月時点、スズキ調べ）を実現しています。

燃費に関しては下の表を見てもわかる通り、かなり新型スペーシアの方が数値が上回っているため、新型スペーシアの方が経済面に良いことが分かります。

デリカミニ T(2WD)	デリカミニ G(2WD)		新型スペーシア HYBRID X(2WD)	新型スペーシア HYBRID G(2WD)
19.2㎞/L	20.9㎞/L	WLTCモード	23.9㎞/L	25.1㎞/L
16.7㎞/L	19.6㎞/L	市街地モード	22.4㎞/L	23.1㎞/L
20.6㎞/L	22.1㎞/L	郊外モード	25.2㎞/L	26.5㎞/L
19.6㎞/L	20.7㎞/L	高速道路モード	23.7㎞/L	25.2㎞/L

まとめ：デリカミニとスペーシアはどんな人におすすめ？

デリカミニは、車高が高く、室内空間・荷室ともに広い、そしてスライドドアを採用しているということで居住性がかなり良くなっています。アウトドアでも利用でき、安定性が良いので、アウトドアでも使いたいけど居住性も手放したくないという方におすすめの車になっています。

新型スペーシアは、マイルドハイブリッドを装備していて燃費が良く、狭い道などが多い街で適度によく曲がり、小回りの良さが活躍してくれます。細かい収納も多く、普段使いには問題のない荷室であるため、使いづらさも感じない新型スペーシアは「街乗りがメインの軽自動車が欲しい人」におすすめです。

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